2020年11月3日に行われるアメリカ合衆国大統領選挙。
共和党のトランプ氏(現職)と民主党のバイデン前副大統領が争っています。
国民投票で勝った方が次の大統領になるんだね!・・・と思ったら大間違い。
前回、4年前の大統領選挙では、総得票数では民主党のクリントン氏のほうが200万票以上多かったが、選挙人の数では共和党のトランプ氏が74人多い306人を獲得したため、トランプ氏の勝利となった。
(NHKまとめ)
え、前回クリントンさんは、勝ったのに負けたってこと? どういう意味?
イマイチ分かりにくい選挙の仕組みを、紐解いてみました。
米大統領選の仕組みを知ろう
アメリカ合衆国大統領選挙を、まずは簡単にまとめてみます。
<有権者>
事前に登録した18歳以上のアメリカ国民
<勝敗を決する方法>
全米の総得票数
州ごとの選挙人がいて、選挙人に達した候補者が勝利
州ごとに選挙人の数は異なり、選挙人総数は538人。
過半数の270人を獲得すると、大統領になれるのです。
はい、もう分からない。『選挙人』がまず分からない!
ここがわからないと先に進めません。
選挙人と言われると『人』をイメージしてしまって分かりにくいですよね。
米大統領選の『選挙人』が分かりにくいので『ポイント』と言い換えてみる。
Q&Aで、疑問点を整理してみましょう。
Q.選挙人と、そうじゃない有権者がいるってこと?
それだと投票できない人がいるのでは?
A.違います。
有権者と選挙人は別物です。
州ごとの有権者数は不明ですが、州で過半数を得票できれば選挙人を獲得できるのです。
『最も多く得票した候補が、その州の選挙人全員を獲得する』勝者総取り方式。
・・・まだ分かりにくいですね。
では、選挙人=ポイントと言い換えてみましょう。
最も多く選挙人がいるのは、カリフォルニア州です。
選挙人55人→55ポイントと言い換えます。
カリフォルニア州の有権者が投票をした結果、共和党/民主党どちらかが勝ちます。
すると55ポイントが手に入ります。
同じように、首都ワシントン州で勝つと、選挙人12人→12ポイントが手に入ります。
この2つの州の合計は67ポイント。
最終的に勝利するには、270ポイントを集めるのです。
Q.じゃあ、全部の州で勝てば538人(538ポイント)手に入るんだ!
A.そうとも限りません。
前述のように、州の選挙人全員がポイントとして手に入るのが殆ですが、メイン州とネブラスカ州だけは違います。
この2州は『得票率で選挙人を配分する』のが決まりになっています。
Q.メイン州とネブラスカ州だけ、日本の『比例代表制』と似ている?
A.全く違います。
選挙人の配分は以下のようになっています。
メーン州は選挙人が4人で、このうち2人は州全体で勝った候補が獲得。
残りの2人は州内に2つある下院議員の選挙区ごとに勝った候補が1人ずつ獲得します。ネブラスカ州も同じように選挙人5人のうち、2人が州全体の勝者に、残りの3人は3つの下院議員の選挙区ごとの勝者が獲得します。
つまり、州の中でも選挙区があり、あくまでも選挙区の勝者が選挙人(=ポイントと言い換え)を獲得します。
日本の『比例代表制』は割合で決まる仕組みですから、全く異なりますね。
米大統領選の勝敗を分ける秘訣は?
アメリカでは州ごとに、共和党/民主党どちらの支持者が多いか、ほぼ決まっています。
そのため勝敗を決するのは「スイングステート」(Swing States)を手に入れた州、と言われています。
Swing Statesは直訳すると、「揺れ動く州」。
日本では『激戦区』『激戦州』と言われ、よく動向が報道されています。
呼び名が示すように、共和党または民主党が拮抗し、選挙毎に結果が変わる州のことを言うのですね。
主なスイングステートは、フロリダ州、ペンシルベニア州、オハイオ州、そしてミシガン州の4つ。
以上、選挙の見方をご紹介しました。
11月3日から始まる投開票の前に、お役に立てれば幸いです。
|