2020年11月3日に行われるアメリカ合衆国大統領選挙。
世論調査は何度も『トランプ氏劣勢』と伝えています。
しかし、4年前のアメリカ大統領選挙では民主党のクリントン氏がずっと優勢と思われていたのに、勝ったのはトランプ氏でした。
言うなれば『どんでん返しの結末』だったのです。
『隠れトランプ支持者』を、なぜ見落としていた?
NHKがアメリカ世論調査協会に取材したところによると、
世論調査では一般的に大卒以上の高学歴の人が調査に協力しやすく、高卒の人たちのデータを捕捉しにくい傾向があるとされる。
前回選挙では高卒以下の学歴の人のかなりの割合がトランプ氏に投票したことが分かっているが、世論調査の段階ではこの傾向を見抜けなかった。
つまり、世論調査に回答しなかった高卒以下の学歴の人の多くが、トランプ氏支持者だったのですね。
なお、その後の世論調査でこの問題は改善されているそう。
『隠れトランプ支持者』を、炙り出した機関があった
アメリカに世論調査を行う機関は複数あります。
その内、トラファルガーグループではトランプ氏優勢を予想していました。
彼らは、『隠れトランプ支持者』の傾向を見抜いていたのです。
トランプ氏の発言やふるまいへの批判の高まりから、批判に同調したほうが社会的に受け入れられやすいと判断したり、トランプ氏を支持していると言い出しにくかったりする傾向がある。
つまり、世間で批判されていると、「自分は支持者だ」と言い出しにくい、ということですね。
いやはや、世間の目を気にして意見を変えるのは、日本国民だけではないのですね。
『隠れトランプ支持者』を、炙り出した方法とは
前回の選挙で、トラファルガーグループでは設問の仕方を工夫しました。
「トランプ氏を支持するか」という質問に続けて、「あなたの近所に住む人の多くはトランプ氏を支持しているか」という質問を設けたのだ。
その結果、クリントン氏について同様の質問をした場合に比べ、後者の質問に対して「はい」と答える割合が高かったため、『隠れトランプ支持者』が存在すると判断した。
つまり、近所に住む人がクリントン氏を支持していると、自分はトランプ氏支持だと言いにくい、ということ。
近所に住む人がトランプ氏を支持していれば、自分も公然とトランプ氏支持だと言える、ということですね。
トラファルガーグループのケイヒリー主任調査員は、今回の選挙に向けて、このように発言しています。
トランプ氏の様々な行動が報道される現在。いささか悪目立ちしていると言えます。
批判されている現大統領を、支持しているとは言いにくい、という雰囲気がアメリカ内であるのでしょう。
10月10日には、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんがバイデン氏支持を表明してトレンドニュースとなりました。
それにしても『隠れトランプ支持者』の数は未知数ですから、2020年の選挙はどちらが勝つか、まだまだ分からなそうです。
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